世界のひつじ  Sheep around the World

「世界のひつじ」にタイトルが変わりました

Dorset Horn    ドーセットホーン   毛(短)・肉用    (17)
英国南西部ドーセット州、サマーセット州に多い。この地の気候は温和で、穀類、牧草類も豊かなため羊の飼育に適す。
起源は明らかではないが、1800年代前半より改良が始められ、1862年に品種として公認された。
この品種の特徴は多産性(産子率130〜180%でよく双子を生む)にある。また年に2回繁殖するため、本来は春から初夏にしか出荷できないラム肉をクリスマスの時期にも提供できる。
雄120、雌85kgで、ともに角を持つ。
Sahel        サヘル         肉・乳用       (16) 
スーダン・チャド・ニジェール・マリ・モウリタニアといった西アフリカの乾燥地域に分布。
一般的に毛の色は白・白と茶・白と黒。
雄はねじれた長い角を持つ。
耳は長く垂れている。
肉用。乳量も多い。
雌の体重は35sあまり。産子率は1,12頭。
Shou-yang     寿陽羊         肉・毛(粗)用    (15)
中国山西省北東部の寿陽県とその周辺の山岳地帯に飼育される。
蒙古羊の変種だが、雄の体重は35〜45sと若干小さい。
性格もいくらか野性的であり、動きは軽快。丈夫な体質のため、山岳地帯の放牧に適する。
雄のみ角を持つ。一般的に耳は大きく、垂れている。
10cm長の羊毛は細く、その量は1.5〜2sほど。
Mongolian      蒙古羊          肉・毛(粗)用   (14)
中国、モンゴルに広く分布し、中国の羊の45%を占める。起源は不明だが、中央アジア・トルコ地方から入って来たものと考えられている。
性質は温順、体質は丈夫で、粗飼、激しい寒暑の変化に耐える。尾には脂肪をたくわえ、中国あるいは蒙古脂尾羊とも呼ばれる。
羊の長さは15cmほどだが、粗く、量も雌1・雄1,5kgと少ない。それゆえ中国羊の飼育目的は羊肉・毛皮・羊毛の順とされる。
ちなみに世界で一番、羊の多い国は中国です。
Piebald      パイボールド       毛・肉用       (13)
別名ジェイコブ。古い愛玩的品種で、イングランドの多くの公園で飼育されている。起源は不明で、スペインであるとかヘブリディンであるなどと言われる。
角は通常2本であるが4本のものもある。低地の羊に比べて野性的だが、高地種のように柵を越えたりはしない。
羊毛は粗く丈夫で、肉はすぐれている。
Mouflon      ムフロン                    (12)
家畜化される以前の野生羊。ヨーロッパ・スカンヂナビア・ロシアの在来羊のオリジンといわれる。
もともとヨーロッパ南部、ギリシャ、地中海沿岸諸島、北アフリカ、中央アジアに分布した。険しい断崖上を軽快に動き、最も強い雄を頭におよそ50〜100頭の群れで生息する。近代、人の手によって、中部ヨーロッパ(オーストリア、ドイツ、ハンガリー等)に入れられ多くは森林に棲むようになった。
体格は小柄だが丈夫。毛は短く、尾も短い。
Oxford Down  オックスフォード・ダウン  毛(短)・肉用  (11) 
英国オックスフォード州原産。西をコッツウォールズ丘陵、南をハンプシャー州に接する地にあって、そのコッツウォールズ種(雌)とハンプシャー種(雄)から1830年に作られた。1862年に新品種として認められた。
体格は大きく雌90・雄125〜180sになる。これはダウン種中最大である。体質は強健で、種々な気候によく適応し、多品種にくらべてよく粗飼に耐える。ダウン種中最も多産で産子率は150%。
羊毛はよく縮れ、10cmあまりと短く、メリヤスやフェルトに利用される。
マトン肉は適度な赤肉と脂肪からなり高級とされる。顔と脚が黒っぽいのは高級な赤肉を示しているという。
交配種造成用に貴重な品種である。
Hampshire Down  ハンプシャー・ダウン  毛(短)・肉用   (10) 
イギリス南部のハンプシャー州、ウィルトシャー州に分布する。この辺りは起伏の多い土地で牧草に富む。
19世紀中頃、オールド・ハンプシャーという白面・有角の在来羊の雌に、サウスダウンの雄を交配して作られた。
繁殖季節の幅が広く、早いものは7月に交配して12月に産む。成長も早い。
性質は温順。丈夫な体は気候の変化によく適応し、0℃以下でも、また熱帯の温度にもよく耐える。
白く細い羊毛は高級で、織物・手編毛糸・フェルトに使われる。肉質はすぐれ風味もよい。
雌の成体重80s。
Southdown   サウスダウン        毛(短)・肉用    (9) 
最も有名な英国種で、ダウン種の基本品種。
イギリス南西部サセックス州のサウスダウン原産。一帯は海岸に沿った丘陵地で牧草に富み、温和な気候、豊富な飼料のために、昔からすぐれた羊の産地として知られていた。
この種の歴史は少なくとも500年をさかのぼる。もともとこの地にはオールド・サウスダン(オールド・サセックス)という顔面、四肢の黒い羊が飼育されていたが、18世紀後半の肉の需要の増加に伴い改良が行われるようになった。その結果、肉質肉量とも向上し、肉用種の王様と賞せらるまでになり、以後多くのダウン種の造成改良に貢献することとなる。
そして羊毛においても、脂の少ない手触りの柔らかい性質を獲得し、それまでの、羊は良い肉と良い羊毛を兼ね備えることはできない、という常識を覆した。
成体重は雄80〜100s、雌55〜70s。
Romney Marsh   ロムニー・マーシュ   毛(長)・肉用   (8) 
イギリス南東部ロムニー・マーシュ地方産。この地はドーヴァー海峡に面し、所々に沼沢地のある湿潤な土地である。必然ここに育つ羊は、海峡からの強い風、海もやに湿った冷気に耐えうる頑健な体を持つこととなった。
この羊の歴史は古く11世紀の末にはすでに記録がある。他品種の血を入れて改良が試みられたこともあったがこの地の厳しい環境に適応しなかったので、結局、成立以来、純粋に固有の血を保ち続けてきたといえる。
気候、飼料の変化、各種の立地条件によく適応するため、南米を始め多くの国において飼育されるようになった。現在、ニュージーランドの主要品種の一つである。
雄雌とも角はない。雄で100s前後。時に150〜180sにもなる。羊毛は長く、量多く、半光沢で、毛質はよい。編み物、手織物などに利用される。
Border Leicester ボーダー・レスター   毛(長)・肉用   (7)
イギリスとスコットランドの境であるボーダー地方原産。
前記レスターの直系の子孫。18世紀後半、ベイクウェルの弟子、カリー兄弟によって改良が始められた。ボーダー地方に古くからいた羊にベイクウェルのレスターを導入したのだが、当初2品種の間に明らかな違いはなく、1869年にようやく別品種として認められた。
 この羊の特性として成育が早いこと、産毛性、産肉性があげられる。
羊毛は長く、よじれて波状をなし、メリヤス、フェルトに向く。
雄は交配種造成用として英国随一であり、世界的にも注目されている。
Leicester    レスター           毛(長)・肉用    (6)   
イギリスの中央部 レスター州原産。18世紀半ば、「家畜育種の父」ロバート・ベイクウェルにより、その地に古くからいたオールド・レスターから改良された。英国の羊の改良種のうちで最古の固定改良種といわれる。
羊毛は細く長く光沢に富む。肉は脂肪が多く決して高級ではないが、過去200年以上にわたり、英国をはじめ世界各国の多くの羊の改良に貢献してきた。
Cheviot   チェヴィオット           肉・毛用     (5)
イギリスとスコットランドの境界を東西に走るチェヴィオット丘陵産。標高500〜800m、冬は非常に寒く長い。しかし良い牧草と水に恵まれており、長年に渡って、ほとんど放牧のみで自給してきた。
歴史は中世まで遡れるが不明な点が多い。近代のチェヴィオットの改良は18世紀後半に始まった。
雄は80〜90・雌は55〜70kg。
約10cmほどの羊毛は白く、密生し、光沢があり、ツイードに向く。
Guinea Long−legged  ギニア・ロングレッグ  肉・乳用 (4) 
スーダン・チャド・ニジェールの渓谷地帯からモウリタニアに至る西アフリカの北方全域に分布。ナイジェリアにもいる。
耳は長く垂れている。
毛の色は白・斑・淡黄茶など。
雄は一般に角を持ち、雌は持たない。
肉用。乳量も多い。
Cotswold コッツウオールズ       毛(長)・肉用     (3) 
イギリス中西部コッツウオールズ丘陵原産。英国種の中でもっとも古く14世紀には記録がある。
体は大きく丈夫で、さまざまな気候風土に適応する。縮れた毛は20cmほどと長く、額の巻き毛も伸びると鼻に届く。雄、雌とも角はない。
ちなみにcotsは羊小屋、woldsは樹木のない原野の意。
Hebridean ヘブリディン            毛(粗)用     (2) 
スコットランドの西、大西洋上にあるヘブリデス諸島産。体格は小型で、雄は4本まれに5〜6本の角を持つ。雌の角は真っ直ぐで短い。
毛は一般に褐色で、有名なハリスツイードの原料となる。
潮の干満を知り、干潮時には海岸に下りて海草を食べたり、入り江を泳ぐ。ある島では餌がなくなると、魚を捕らえるものもあるという。
Herdwick ハードウィック         毛(粗)・肉用     (1)
イギリス北部の標高900m以上の粗末な草地に分布。厳しい気候風土に耐えうる頑健さにおいては群を抜く。英国種中もっとも古い品種のひとつ。
牡鹿のように跳躍し、石垣を登り、雪の下に3週間埋もれていても生きて返るという。帰還性がきわめて強く、川を渡り丘を越えてその居住地に戻ってくる。
毛は短いが丈夫でカーペットに向く。
ピーターラビットの作者、ベアトリクス・ポターが始めたナショナルトラストの、湖水地方の農場で飼われている羊でもある。ポターはこの羊の毛で靴下を編んだという。


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